FAE Forum
食料・農林漁業・環境フォーラム 持続可能な農林漁業・農山漁村の発展に向けて
トップページ
フォーラムのご案内
代表の紹介
設立宣言
フォーラム提言
申し合わせ事項
活動紹介
フォーラムネットワーク 全国・地域・県
フォーラムからのメッセージ
リンク集
質問とご意見
Q&A
個人情報保護方針(PDF)
サイトマップ
お問い合せ
フォーラムのご案内
フォ−ラム提言
「フォーラム提言」検討経緯【PDF】
 今から10年前の1999年3月、私たちは、「地球規模での環境問題、地球資源の有限性、食の安全や食料危機への不安などを強く意識せざるを得ない大きな転換点を迎えている」という認識の下に、食料・農林漁業・環境フォ−ラムを設立し、食料・農林漁業・農山漁村・環境問題等に対して、認識を共有し、相互理解を深めると共に、食の安全と安定供給、持続可能な農林漁業と農山漁村の発展のために貢献することを目的に活動を開始しました。

 この10年間、90回に及ぶ学習会を基礎に、シンポジウムや討論集会、さらには現地検討会などを行い、食料・農林漁業・環境問題について、国民理解と支援を広げる取り組みを進めてきましたが、設立時に感じていた食料危機 への不安が、今や現実のものになっています。

 食料危機の背景として、途上国の経済発展と人口増加による穀物の需要増大に加え、原油価格の高騰にともなうバイオ燃料の生産拡大などがあげられており、このため穀物の需給はひっ迫し、価格が急上昇しました。たとえば、とうもろこし、小麦、大豆の国際価格は、この2年間で2〜3倍になっており、食料品や飼料の相次ぐ値上げが消費者の生活や生産者の経営に打撃を与えています。また、世界的な穀物価格の上昇により、食料の多くを輸入に依存している途上国においては、暴動という事態にまで発展しています。

 こうした現実に直面し、穀物の使用は食料用途を第一にするという原則が国際的に確認される必要があります。また、食料を国内で生産することの重要性や食料自給率を向上させていくことの必要性を改めて認識しなければなりません。しかし、わが国の食料、農業、農村の現状はどうでしょうか。

 わが国の食料自給率はカロリーベースで40%しかありません。その数字が示す通り、食料の多くを海外に依存していますが、大量に輸入する一方で、大量に廃棄している実態があります。そして、私たちの食生活は、畜産物、油脂類の摂取過多により、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスに優れた「日本型食生活」が崩れ、栄養の偏りや食習慣の乱れにより肥満や生活習慣病が増加しています。

 農業、農村の状況は、農家の高齢化がすすみ、食料の国内供給力の基礎となる農地が耕作放棄され、その面積が年々拡大し、2005年時点で39万ha(経営耕地面積の10%)に及んでいます。そして、食料生産の中核となる農業の「担い手」の育成も、十分とは言えません。

 こうしたなかで、1994年から2006年の間にコメ価格は29%下落 しており、近年の原油価格の高騰や肥料価格の高騰によって農業経営が圧迫されています。特に燃油価格の高騰は、農業者だけでなく、漁業者にとっても死活問題となっています。

 世界的な食料危機を背景に、食料事情が一変した現在の状況を踏まえ、改めて日本の食と農の問題を考えた場合、国内生産の拡大と自給率の向上が重要であり、消費者・生産者・食品業界の交流を通じて相互理解を深め、次のような取り組みが必要と考えます。
 

1. 消費面での取り組み
(1)
 
コメを中心とした日本型食生活の良さを見直し、食べることの大切さを自覚し、健全な食生活に取り組むとともに、食べ物を大事にし、食べ残しや廃棄などをなくしていく必要があります。
(2) コメをはじめとする国産農産物の消費が、食料自給率向上の基礎となると同時に、農村地域社会の活性化や、国土・地球環境保全にも結びつくという認識を互いに共有し、そうした理解を広げる必要があります。
(3) 小麦等の穀物価格が急激に上昇するなか、相対的に価格が安定し、 国内で自給できるコメに対して注目が集まっています。これを機に、 コメの消費を増やしていくことを考える必要があります。
2. 生産面での取り組み
(1) 耕作放棄地の解消に向けた取り組みが必要です。生産者および生産者団体をはじめ、地域全体での努力が問われていますが、農業生産の担い手に対して、再生産が確保でき、継続的に生産できるような経営安定化への対策も必要です。
(2) この数年、農業生産の中核となる「多様な担い手」の形成に向け、集落営農の組織化・個別経営体の育成などに大きな努力が払われてきました。しかし、担い手に対する農地の集積は、まだ不十分であり、さらなる拡充に向けた取り組みが必要です。
(3) 地産地消の取り組みは、生産者の顔が見える安全・安心な農産物の提供方法として、大都市近郊においても展開されるようになってきました。地産地消は、産直運動や学校給食において広がりを見せており、食育活動の一環としても取り組まれています。このような消費者ニ−ズに応えた取り組みの拡大が必要です。
(4) 原材料の多くを海外からの農産物に依存している食品産業界から、食の安全性の問題を踏まえ、国産農産物への期待が高まっています。そうした国産ニ−ズに対して積極的に応えるためにも、一定量の確保や周年供給等の課題に対する取り組みが必要です。
3. 技術開発・普及面の取り組み
(1) 小麦価格が高騰し、パンや麺などの価格が引き上げられるなかで、米粉製品が注目されています。米粉製品の開発・普及を進めていく必要が あります。
(2) 飼料用米の品種・生産技術の開発、廃棄物の飼料化(エコフィ−ド)を進めていく必要があります。
(3) 日本における自給率向上の中心課題である飼料自給率の向上を図り、日本の食料供給力の中軸である水田の維持と有効利用を図るという観点で、新たな技術開発・普及を進める必要があります。
 
  私たち食料・農林漁業・環境フォ−ラムは、現在の食料をめぐる世界的な情勢やわが国における食と農の現状について多くの皆さんと共に理解を深めるために、設立10年目を契機にこの提言を取りまとめました。

 これからも、食料・農林漁業・環境問題を私たちのより身近な問題としてとらえ、食料の安全と安定供給、さらには農林漁業と農山漁村の持続的発展をめざして活動していきます。
 

2009年1月20日
食料・農林漁業・環境フォーラム

copyright FAE All Rights Reserved.