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食料・農林漁業・環境フォーラム 持続可能な農林漁業・農山漁村の発展に向けて
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木村 尚三郎 写真
東京大学 名誉教授
村に旅人を
2004年7月5日 掲載

  農村の草むらに寝ころがりながら、のびのびとジャズやロック、ポップスに興じ、おにぎりを頬張る。あるいは少しかしこまって、クラッシク音楽に身をゆだねる。空気は澄み、緑の草木を渡る風がサワサワと音を立て、遠くからときに寺の鐘の音も聞こえてくる。川のせせらぎ、連なる山々の大自然に抱かれた美しい村で、このようなリラックスした演奏会や演劇祭が開かれたとすれば、現代人は千里の道を遠しとせずやってくる。

  「生きる歓び」が、そこにはあるからだ。汚く騒々しい大都会に疲れ切った人びとにとって、「美しい感性空間」としての農村は、自らの身体と心に新鮮な息を吹き込み、身体と心を活き活きさせる、ほとんど、唯一の場である。

  大地・大自然の中に身をゆだねれば、心が素直になり、心が開け、居合わせた人びとと友となることが出来る。大きな安心と生きる歓びが心底実感できる。宿泊は農家でもいいし、寺でもいい。寺の場合は翌朝、掃除の奉仕をして、宿代は心ばかりのお布施で勘弁してもらう。

  このような、農村と都市との交流がいまもっとも求められている。農村の側にも、活気とか生きる知恵が与えられる。多かれ少なかれの、経済収入も実現できる。土地の食材で、都会からやってきた人に、新しい料理を作ってもらうのもいい。

  ただし、温水洗浄式トイレと入浴施設の設備は、不可欠である。

  「村に旅人を」のときがやってきた。

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