昨年読んだ本の中でいちばんショッキングだったのは岩村暢子著『変わる家族 変わる食卓』でした。著者の調査によると、若い主婦たちの間で「食べることに関心がない」という人が増えてきたというのです。やりたいこと、買いたいものがいろいろあって、「衣食住遊」(今や生活に欠かせないものは「衣食住」だけではないのですね)のうち食の地位が相対的に沈下している。そういう結論でした。
食教育に取り組んでいる中村修・長崎大学助教授も、大学生についてほぼ同様なことを指摘しています。 (『月刊JA』2004年6月号)
私自身、大学に勤務していたころ漠然と感じてはいたのですが、専門家の調査や体験ではっきり裏付けられました。
近ごろ盛り上がっているスローフードも地産地消も、「関心がない」と言われればそれまでです。無関心の行き着くところ、「食べ物なんか国産だろうと輸入品だろうと関係ない」ということになりますね。主婦も無関心、若者も無関心となると、もはや子どもたちに希望をつなぐ以外に日本の食の未来はない、ということでしょうか。
選挙の時もそうですが、無関心層にどう訴えるかは相当な難問です。だからこそ、このメッセージ欄の5番目に登場した小島正興副代表が、無関心な人々への働きかけの重要性を力説されたのでしょう。先の国会で継続審議になった食育基本法案は前文で「国民運動」を提唱しているのですが、現実はみんなが方向を確認しないままバラバラに走り出しているようでもあります。今は模索の段階だから仕方ないのかも知れませんが……。 |