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服部 信司 写真
東洋大学 教授
牛肉の表示:進む日本、後退するアメリカ
2004年12月20日 掲載

  さる(2004年)12月1日から、日本では、国内で生産された牛肉を販売する際に、その個体識別番号をラベルや価格カ−ドなどに表示することになった。

  これによって、消費者は、家畜改良センタ−のホ−ムページにアクセスし、購入した牛肉に表示されている個体識別番号を入力すれば、その牛の生産履歴(どこで飼養され、親牛は何かなど)や流通履歴(どこでと畜−解体処理されたかなど)を調べることができるわけである。

  このおおもと、生産者が肥育する牛に、個体識別番号が印字されている耳標を装着することにある。その個体識別番号が、牛とともに、と畜−解体−販売の各ル−トを流れていくのである。

  すでに、日本においては、食肉についての原産地表示が、2000年4月から義務化されている。これに加えて、消費者が購入する牛肉について、その生産履歴が追跡可能な表示が行われだしたのである。

  表示は、消費者にとって、購入商品を知る上で、無くてはならないもの、といえよう。 アメリカでは、2002年農業法において、2年間の自主表示の期間を経て、2004年10月から、食肉を含む生鮮品の原産地表示を義務化する、とした。

  しかし、それには、生産−流通段階において記帳に伴うコストがかかるとして、2004年10月からの原産地表示の義務化は見送られ、さらに2年間自主表示の期間が延長された。アメリカでは、表示への動きは後退しているといわざるを得ない。
記帳は、原産地表示のみならず、個体識別(生産履歴の遡及)にとっても、その基礎をなしている。

  アメリカには、9000万頭を越す牛がいる。牛の数が多いから、あるいは、コストがかかるからということは、個体識別を行わない理由にはならない。牛肉の個体識別は、EUにおいても行われている。残る先進国アメリカにおいても、その実施が問われているのである。

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