平成13年に制定された水産基本法には、国家社会における水産業の位置付けを明確にすると同時に、水産業及び漁村による国民の生命財産の保全、環境保全等の多面的機能の発揮を求め、必要な施策を講ずることとしました。
農業、林業の多面的機能については、すでに日本学術会議の答申を経て一部支援措置もとられていますが、水産業・漁村についても、昨夏日本学術会議の答申が提出されました。
このようなことも受けて、平成17年度政府水産予算では、「離島漁業再生支援交付金」という多面的機能の維持増進に着目した、これまでの水産政策にはない国民全体の視点に立った水産業・漁村への支援策が講じられようとしています。
水産業・漁村の多面的機能としては、国民生命財産の保全活動や、人間社会から海へ排出される栄養塩類が食物連鎖を通じて水産資源として漁獲することにより陸上に回収するという「(再資源化)リサイクル機能」(物質循環機能)や、藻場・干潟の整備、植樹等を漁業者が行うことにより発揮される「生態系保全機能」、保養・交流・学習の場の提供、漁村文化の継承など多くの機能があげられています。
これらの趣旨と内容については、まだまだ国民の認識が薄く、今後国民的コンセンサス形成を図るとともに、漁業者としてもこれら機能の維持・増進のための支援化対策に取り組んでいくこととしたい。 |