故郷の町に住んでもう十年をこえる。痛感することは、農業を含め地場産業の活力の喪失である。残念ながらその原因が正しくつめられてはいない。
多国籍企業の主導によるグローバリズムが根底にあると私は考えている。自由貿易の拡大、公正よりも効率優先、「まずカネ」・「まずワタシ」がその特徴である。
平成の大合併がアメとムチで進められているが、これもグローバリズムの流れに沿うものと見ていい。特例債事業のほとんどは地域外資本であるゼネコンが受注していると指摘される(岡田知弘教授・京都大学)。地域内再投資力の核としての基礎的自治体がゆらいでいるのである。
人間(ヒト)は、他の生きもの・環境・社会・文化のつながりのなかで生きる。これらのつながり集団が「生活圏」を構成する。基礎的自治体がそこに成り立っている。それが崩壊すれば、食・農の政策の根底を失うことになるに違いない。
平成の大合併は、食・農の基盤をゆるがし、ひいて日本という国の仕組を弱くする懸念をはらんでいる。これは言い過ぎであろうか。
故郷の具体的な話も含む近著をご参照ください。
所 秀雄箸「生命の在処・いのちのありか−食と場と人をみつめて」
発売元 (株)メタ・ブレーン |