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中村 靖彦 写真
東京農業大学客員教授
「食材の寺子屋」と食育
2005年8月8日 掲載

  東京に寺子屋を作りました。「食材の寺子屋」といいます。

  世田谷で廃校になった、池尻中学校の教室のひとつを借り受けたのです。

  借りたのは「良い食材を伝える会」というNPO法人で、私はその代表理事をしています。この会は、1996年にスタートして、次の世代に日本の優れた食材を伝えていこうとの趣旨で活動を続けてきました。「日本の地域食材」という年鑑の発行、各地での「地域フォーラム」の開催、あるいは千葉県での「こだわり農場」の運営などです。

  今回の「食材の寺子屋」はその事業の一環で、ここを拠点にして食育活動をおこなっていこうというのです。

  いまの子供たちは食材の名前を知りません。農業のことも知りません。牛乳は、牛の乳房を搾れば何時でも出ると思っています。子供だけではありません。若い父母や先生も同じです。これでは将来、日本の農業とか農村についての理解や関心が深まるわけがありません。私は危機感を抱いていました。そして都会の真ん中に、日本の食材とか農業のことを分かりやすく伝える場を作りたいと思ったのです。

  4月25日のグランドオープンの後、既に、「新茶を楽しむ」とか「日本の食の原点・漬物」といった勉強会を開いています。

  去る6月10日、食育基本法が成立しました。「食材の寺子屋」のささやかな試みが、東京だけでなく、あちこちに伝わって、国民運動になっていくと嬉しいと思います。

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