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服部 信司 写真
東洋大学教授
『食料・農業・農村基本計画』が
「担い手として集落営農組織を位置づけたこと」を評価する
2005年9月20日 掲載

 今後5年の農政のあり方を示す『食料・農業・農村基本計画』において、「一元的に経理を行い、法人化の計画を有するなど」の一定の要件を満たす集落営農組織が、「担い手」として位置づけられた。また、集落営農組織は、今後の農政の中心としていく経営安定対策(直接支払)の対象となる「担い手」と明記された。

  同時に、そこにおいて、10年後の目標として、「担い手」としての集落営農組織2万〜4万が提起されている。それとともに、10年後の「担い手」として、認定農業者を中心とする家族経営33万〜37万、法人経営1万が提示された。

  集落とは、かつての村である。集落営農組織とは、その集落において、「農業生産の一部または全部について共同で行うという合意のもとに農業経営を行う組織」のこと。

  日本全国に集落は、12万以上ある。今年5月に行われた農林水産省の調査では、その集落のなかで、個人(家族農業経営)の「担い手」である認定農業者(市町村が、地域の中核的な生産者と認定した農業経営者)が存在する集落は、わずか5886、全体12万の5%にすぎない。

  このことからも、(一定の要件を備えた)集落営農組織を「担い手」として位置づけることは、日本農業の持続的発展には不可欠であり、それが明確にされたことを評価したい。

  ところで、2005年6月現在、個人の「担い手」である認定農業者は19万1642人、農業法人経営は5272存在する。これらは、いずれも10年後の目標の半分強である。

  これに対し、現にある集落営農組織は1万、そのなかで、上述の要件を満たし「担い手」として認められている集落営農組織は、わずか442にとどまる。10年後の目標2万〜4万に対し2%〜1%にすぎない。

  集落営農の組織化に向けて、国・県・市町村・JAの協力による総力を挙げた取り組みが求められているといえよう。

  この秋、今後の経営安定対策の具体化が検討される。その際、対象となる担い手(特に、集落営農組織)の要件について、必要な柔軟性が検討−考慮されることが期待される。集落の規模やあり方は、おかれている自然条件・社会条件によって様々に異なり、きわめて多様性に富んでいるからである。

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