10月中旬、デンマーク、オランダ、ドイツの酪農を視察する機会に恵まれた。雪印乳業が事務局を担当している日本酪農青年研究連盟の主催だった。参加者は20代から70代まで、北海道・岩手・秋田・宮城・神奈川・静岡・愛知・兵庫の各地から、女性が7名で計16名という多彩さであった。デンマークでは家畜の内臓や廃食材、糞尿などをガス化して電力会社に販売している大規模なバイオガスプラントを見学した。
発電される電力は400世帯へ供給されている。近隣21戸(養豚・酪農・畑作)による共同経営である。さすがという感じだった。オランダは草地に綿羊が放牧されていて、草地の境界は水路、平坦な草地の緑に羊の白そして風車の素敵な風景が続く。
搾乳ロボットの導入は1000台に上る。ドイツでは待望の農家民宿をした。ドイツアルプスの麓、フュッセンは農家民宿で有名で、なかなか予約を取るのが難しい。3箇所に別れて宿泊した。ハンス家は100年の歴史を持つ家を若夫婦が使用し、親夫婦は同じ敷地に新しく住まいを建てて、両方に民宿できるようになっていた。ブラウンスイス80頭を飼育している。
冬は零下20℃にもなるそうで、酪農が唯一の産業。経営が厳しいため、副業として民宿を営んでいる。どの国も乳価は約40円、日本の約半値である。そしてどこも家族が協力し合っている姿が印象深かった。お手製のパイがおいしかった。
翌朝、霧が立ち込めた草地からカウベルの音をさせてブラウンスイスが近寄ってきた。伝統の豊かさを強く感じさせられた研修だった。
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