20世紀が石油の時代といわれるのに対して、21世紀は水の時代といわれる。石油の利権をめぐり繰り返されて来た紛争や戦争。しかし地球の水資源の枯渇が心配される今、次の紛争の種は水といわれている。すでに水に欠乏する国では、例えば淡水を真水に変える試みが始まり、日本の技術が輸出されはじめた。
瑞穂の国、日本。瑞穂の国とは日本という国の美称だが、意味はみずみずしい稲穂のみのる国。「豊葦原之千秋長五百秋之瑞穂国」(とよあしはらの、ちいほあきのみずほのくに)は古事記の略称で、その原典にあたる「帝紀」「旧辞」を天武天皇の命により誦習した人物が稗田阿礼。葦は水辺に生える。日本は水辺の豊かな国であり、稲作の文化がそこに生まれ、当時活躍していたであろう知識人の苗字が稗田である。今、農業は国土保全型を前面に打ち出して、日本という国が培って来た農業が、いかに、瑞々しい国土の恩恵を受けてきたか、また稲作をはじめとした農業を続ける事で、古事記に記された瑞々しい国土を21世紀の現在まで保って来たかを訴えている。
水、そして葦原にある豊かな土壌。これが日本を形成して来た豊かさの原点であり、農業者はその技術者である。21世紀は水と土の時代を念頭に農業の進展を後押ししたい。 |