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食料・農林漁業・環境フォーラム 持続可能な農林漁業・農山漁村の発展に向けて
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山地 進 写真
食料・農林漁業・環境フォーラム副代表 、内外食料経済研究会代表
石油の高騰とトウモロコシの需要
2007年3月15日 掲載

 米国の中西部に広がる大平原では、太陽はトウモロコシ畑から出て、トウモロコシ畑に沈む。

 米国は、小麦粉を「メリケン粉」と呼ぶ慣習から、「小麦の国」と、イメージを描きがちだが、そうではない。

  なによりも、米国は、圧倒的に「トウモロコシの国」である。06年産にしても、小麦、大麦、米を含めた穀物全体の生産量3.6億トンのうち、トウモロコシ一種類で2.8億トン、約8割を占める。

  第2位の中国も、1.3億トンの生産量があるが、国際市場における勢威は、月とスッポンだ。中国の輸出は数百万トンだが、米国は5千万トンに近い規模を持ち、優位性は絶大である。

  その米国が、先年来の石油相場の高騰を契機にして、エタノールを中心に、バイオ燃料 の普及に本腰を入れ始めた。07年1月のブッシュ大統領の一般教書演説での、バイオ燃料への言及は、その典型的な動きである。

  「万年2ドル」が通り相場となっていたトウモロコシ相場も、油価上昇のあおりで、昨今は、ブッシェル(容量単位、トウモロコシは約27キログラム)あたり3〜4ドル台という位置まで水位を高めてきた。

  以前、トウモロコシ相場は、年度末の在庫状態の推計値で決まっていたが、昨今は、それに原油価格が加わり、「豊作にもかかわらず価格上昇」という形に、06年産の場合もすでに変容している。

  わが国は、世界最大のトウモロコシの輸入国で、近年、その量は年間1,700万トンにも及び、平均毎日5万トンの積載船がどこかの港に入っている格好。これはまた、コメの消費量の約2倍という数量で、大部分が家畜のエサになり、一部が液糖として各種飲料の甘味料になっている。

  1, 700万トンという数量は、米国のトウモロコシ輸出量(同国生産量の10%余) の35%を占め、世界全体の貿易量の中でも25%を占める巨大な数量である。それだけに、特に畜産農家の経営には、大きな重荷となる可能性がある。

  しかも、輸入先としては米国以外にこれといった国は見当たらない。

  砂糖からのエタノールの生産に強く、大豆でも生産を伸ばしている農業大国ブラジルも、トウモロコシは不得意らしく、乾燥大陸・豪州も降水量不足で、トウモロコシには手も足も出ない状況だ。

  エタノールの生産工場が、次々に誕生している米国にとって、昨今の状況は新しい油田が天から降ってきたようなものだが、しかし、果たしてそれが、米国内の生産の刺激に結びつくかどうか。米国のトウモロコシ生産は、単収増に支えられた面が強く、限界接近への懸念が強いだけに、簡単には払いのけられない問題をもっている。

  トウモロコシの生産量を世界規模でみると、米(精米ベース)と小麦の合計生産量にほぼ匹敵する。国民全体が、その実情について認識の水準を高める時のように思う

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