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食料・農林漁業・環境フォーラム 持続可能な農林漁業・農山漁村の発展に向けて
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中村 靖彦 写真
食料・農林漁業・環境フォーラム幹事 、東京農業大学客員教授
気になる大新聞の農業観
2007年8月17日 掲載

 ある大新聞で、新しく主筆になった方の一文を読んだ。少し頭にひっかかることがある。

  この方は、ずっと同じ新聞のコラムニストとして定期的に記事を書いていた。国際的、政治的なテーマを新鮮な感覚で分析していて、文章の歯切れも良く、私は好きだった。そして、今度主筆という大役に就任して、意欲溢れる文章を一面に大きく載せている。

  彼は四つの新聞像を目指したいとしている。その一番目が「国民の切実な要望に応える新聞」である。

  「環境・安全・雇用・労働・財政・年金・介護・医療・人権・教育・文化、そして、外交と安全保障・・・それらのテーマを精力的に報道していく」

  おやおや、こんなに多くのテーマを網羅していながら、食料とか農業の言葉がない。私が気になるのはこの点である。

  新聞の社説を書くのは、論説委員の人たちである。社説は社論である。その新聞社が、ある問題について、どう考え、どう主張するかを論説委員会の議論を経て、その専門領域の委員が書く。主筆という立場は、その頂点に位置すると理解して良いだろう。

  社論を導いていく立場の方の頭の中では、食料とか農業というテーマは、国民の切実な要望のうちには入らないのか。いささかさびしい思いがしますね。

  総産出額がGDPの2%にも届かない日本農業とか、自給率が40%で低迷していて向上の兆しもない日本の食料問題など、まともに取り組む価値がないのだろうか。そんなことまで考えてしまう。

  ちょっと書き忘れただけのことかもしれない。40年間も、その分野で仕事をしてきた私だけが感じることで、大新聞の農業観、などと大げさに考える必要はないことなのかもしれない。だけど、忘れるようなテーマでもないのになぁ、というのが率直な感想だった。

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