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見城 美枝子 写真

青森大学教授

経済制裁という現実
2012年1月26日 掲載

 イランの核開発を止めさせるという理由でアメリカは各国にイランからの原油輸入停止を呼びかけた。
 イランは原油の通り道「ホルムズ海峡」をふさぐと対抗し、これに力で対抗することを示しているアメリカ艦隊。イラクが核兵器を作っていると乗り込まれた時を思い出す。危機一髪だ。
 経済制裁は幾多の戦争、紛争を生んできた。日本も石油を断たれ戦争へ突入した国のひとつだ。
 今、世界はグローバル経済のネットワークの中で動いており、日本の経済界もすでに大産油国であるサウジアラビアとの輸入交渉が進んでいるとのこと。
 油断にはならないが、資源と食料を持たない国の心細さ、危うさを実感させられる。
 日本の農業は鎖国をしているわけではない。現実に関税撤廃に向けたFTA自由貿易協定や人や知的財産の自由な移動を進めるEPA経済連携協定を各国と進めている。
 すでに世界一の食料輸入国だ。
 石油資源は輸入に頼るしかないが、代替資源の開発を進めるという未来がまだ残されている。
 しかし食料は代替がきかない、バイオで生産という道もあるが、基本的には土と水と太陽の恵みを農業という技術で食料にしていくものだ。作らなくなれば農地は壊れ、農業技術は継承されず、経済制裁の名の下に輸出入が止められれば食料も水も断たれる。
 TPPは本来、環太平洋戦略的経済パートナーシップだ。参加しなければグローバル経済の波に乗り遅れるとせかされるが食糧戦略も持たずして参加はあり得ない。
 国内では外食、内食企業の農業参入での成功例も出ている。日本の農業は、農地をだれがどのように耕しどのように市場に出すのか、生産、流通の新しい道を積極的に模索すべきだ。

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