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食料・農林漁業・環境フォーラム 持続可能な農林漁業・農山漁村の発展に向けて
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食料・農林漁業・環境フォーラムからのメッセージ
21世紀、私はこうしたい

私たちは平成11年3月に「食料・農林漁業・環境フォーラム」を設立しました。
設立にあたって、私たちは「新たな時代に向かって、食と農林漁業と環境を守る」ことを確認するとともに、活動の一環として提言活動に取り組むことにしました。
新たな世紀を迎えた今、本フォーラムの活動、あるいはその活動の立場を通して21世紀をどのような世紀にしにていきたいか、どのように考えていくのか、フォーラムの主要なメンバーからのメッセージを紹介します。

<代表> 木村 尚三郎(東京大学 名誉教授)
 21世紀は「農の時代」であると確信しております。国民の誰もが「土を耕す」ことと直接・間接に関わり、「地産地消」に大きな安全と安心を得て、地域に生きる自信と誇りを抱く社会を実現したいものです。 「技術」の20世紀から、「いのち」を育てる喜びと幸せの21世紀へ、「いのち」をキーワードとする21世紀へ、力強く歩んでいきましょう。
<副代表> 立松 和平(作家)
 第一次産業に従事する人が立派にたちゆかなければ、この国の山河は滅びるでしょう。海を守っているのは漁師で、山をまもっているのは林業従事者、大地を守っているのは農業者です。  
第一次産業で働く人が生き生きとしなければなりません。
<副代表> 梶井 功(東京農工大学 名誉教授)
 “日本国民は、21世紀が様々な国家、地域がそれぞれの歴史、文化等を背景にした価値観を互いに認め合い、平和と尊厳に満ちた国際社会において共存すべき時代でなければならないと確信する。”  
昨年暮れに発表されたWTO農業交渉日本提案の前文に書かれている提案の“根底に存在する基本的哲学”の一節である。この哲学をより多くの人々が共有することになるように、できる限りのことをしていきたい。 「多様な農業の共存」をどうしたら実現できるか、日本の友人はむろんとして、韓国や中国の友人とも話しあう機会を持つことににしたい。
<副代表> 山地 進(内外食料経済研究会 代表)
 新世紀の門出に当たり、われわれがまず決意すべきは、われわれが世界に誇る、「戦争放棄」憲法の言い訳なしの実践である。  旧世紀の世界年表を汚した相次ぐ戦争の愚を、繰り返さないためには、第一に民衆レベルでも、情報と人間の交流の活発化を図り、猜疑心を起こす余地なきを期すること。
第二には、各国が「食料第一主義」の政策を実行し、「食に不安なし」の政策を実行すること。どんなに条件不利な国の農業でも、望む限り、それぞれその「ところ」を得させること。輸出大国といえども世界中を養うことは不可能だから。
<副代表> 小島 正興(国民経済研究協会 監事)
  1. 安心と安全について全国民的関心を結集して行くべきとき。
  2. 食糧の安全保障に対する国民の関心は漸次高まって来たが、さらに野菜等の供給についても関心を高めたい。
  3. 農業に対する政策は従来の路線を脱却し、はっきり目的とそのための政策、手段を確立すること。
  4. 農業をになう経営が安心して、しかも自由に活躍発展できる環境を整備すること。
<副代表> 浜 美枝(女優・農政ジャーナリスト)

 物と金を追い求めた20世紀が終わって、迎えた新世紀は、地球上のすべての「命」の大切さを確かめ合う時代です。今、私達はようやく再び、食料と農林漁業と環境という命の源と真っ正面に向き合いながら、都会の消費者と地方の生産者とが、新たな信頼関係を築き上げる時を迎えたのです。新しく手に入れたインターネットという手段を駆使して、個々のレベルで情報交換しあい、自分達のための流通システムを作り上げることも可能になった21世紀。私達は、そうした中でもう一度、日本の暮らしの美と、心の安らぎと、そして人間としての本来の姿を取り戻すべきではないでしょうか。

<副代表> 藤岡 武義(日本生活協同組合連合会 常務理事)

 様々な問題を先送りしてきた20世紀が終わり、解決しなければならない多くの課題を抱えて新しい21世紀を迎えました。
  なかでも大きな課題は、地球環境の保全に向けた確かな見通しを作り上げることだと思います。そのために協同組合組織が果たす役割がますます大きくなっています。  
わが国最大の消費者組織である生協が、食品衛生法改正の著名運動で短期間に千百万名を集めた力で、この分野でも積極的な役割を果たし、未来の世代に希望を託せる社会を残していきたいと思います。

<副代表> 原田 睦民(全国農業協同組合中央会 会長)

 「農」を中心として人が循環する社会づくりをめざします。都市で働き定年を迎えた人たちが、心のふるさとである農村に帰り、都市生活の間に蓄積した知識、経験、技術の人脈を活かした農村活性化のリーダーとして活躍してほしいと思います。そして、その子どもたちも若い頃を都市で働くにしても、定年後はまた農村に帰っ行く。孫たちは休みを利用して祖父母の住む農村で自然を体験する。このサイクルが生まれ、人が農村と都市を循環するようになれば、国土の均衡ある発展が保たれ、まさに「農と共生の世紀」が実現されると信じています。

<幹事長> 服部 信司(東洋大学 教授)
  • 環境に十分配慮した、世界に誇れる環境立国の社会。農業全体で一定の減農薬・減化学肥料を実現し、消費者に深く信頼される農業生産国に
  • 20世紀の日本が残した最も大きな課題が、環境・食料安全保障などを考えた国土利用計画であることを踏まえ、全体の土地利用計画の一環として、優良農地を明確に維持していく社会
  • 急浮上している農家単位の所得安定対策の検討が結実することを願い、経営耕地面積を基礎として所得安定政策が支持される社会
  • 農業の多面的機能についての国際的理解の拡大を基礎に、多面的機能型農業・維持の展望をWTO農業交渉で実現していける国際社会
  • これを21世紀の前段において目指したい。
<幹事> 中村 靖彦
(NHK解説委員、農政ジャーナリストの会 会長)

 後継者がいない、のは事実ですが、農業、農村に関心を持つ若い人が増えているのも確かです。そんなに目立ちませんがね。というのは、大体彼ら、彼女たちは体制とは縁がないところで伸びているからです。生産者にしてもそうです。こんなに無関心に見えるメディアのなかにも出てきています。
  21世紀は、既存の体制は農業に必要以上の関わりを持つべきではありません。行政も政治も農協も、そしてメディアも。農業の現状に責任があるのは、この体制なのですから。今世紀に長いこと生きる若い人に、新しい考え方とシステムを作ってもらいましょう。私にこの後出来るのは、そのためのささやかなお手伝いくらいです。

<幹事> 原 剛
(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授、毎日新聞客員編集委員)

 地球資源探査のアメリカの人工衛星「ランドサット」から送られてくる日本列島の写真は、森林におおわれた山からわき出る水が、海へ向かってにじみ出していくありさまを写しだしている。
  栽培植物は人間の移動に伴い、最適地を求めて広がっていった。
  水田稲作こそが日本の自然環境に合った適地適作である。そして、生態系の法則は、どの動物も餌を「身近に求める」鉄則を示している。自然条件が、あたかも地球上一体であるかのような前提に立つ経済学は、真正な自然科学である生態学によって、その真偽を評価されねばならない。
  21世紀の食料生産の価値律は、生態学の教えによって定められるべきである。

<幹事> 岸 康彦(愛媛大学 教授)

 地域ごとに新たな土地利用計画を作り、「第二の農地改革」を行う必要があります。耕作放棄地やその予備軍を公的管理ということにします。中山間地域の農地は、そうでもしないと維持できなくなっていますし、一部では公的管理に近いことも行われています。直接支払いは画期的ですが、それだけでは救いきれないでしょう。
  私自身について言えば、可能な限り国産の食料を食べ続けることです。農業者以外の日本人が自給率向上に貢献できる道は、それ以外にないからです。

<幹事> 見城 美枝子(青森大学 教授)

 生産者が精根込めて作った食糧の価値を無駄にするようで、消費拡大の目的でお米を無料で配る様なキャンペーンには胸が痛む。主食のお米を自国で生産出来る事は今後の食糧逼迫の時代に重要であること、それには生産に見合った需要が必要で、そのためにはお米がおいしいとわかる世代をつくるべき。次の三点を提案したい。1、街の郵便局やコンビニなどに精米機を設置する。2、学校、病院、高齢者施設、ファミリーレストランなどのご飯に真実おいしいお米を使ってもらう工夫。3、パンの美味追求、販売努力を見習い、おいしく炊いて販売できる流通や商品開発などに協力する。

<幹事> 日和佐 信子(全国消費者団体連絡会 事務局長)

 今、日本の農林漁業は厳しい環境のもとにおかれています。増え続ける輸入食品・農産物・建築資材などの中で、国内生産物の愛好者をどう増やしていくかが課題だと思います。
  点在する森に囲まれた農村の風景はいつ行っても安らぎをくれますし、作り育てている揺るがない自信に満ちた生産者の顔は自然で、とてもいい表情です。みんなが農への共感を持つことができれば、と願っています。今年も本音で消費者と生産者が語り合える場を作っていきたいと思います。

<幹事> 藤田 和芳(DEVANDA 代表)

 20世紀、日本は工業中心の社会を築いてきた。効率と生産性を追い求め、その延長線上に人間の幸福があると信じた社会であった。しかし、いま私たちの前にあるのは、家庭や地域の崩壊、企業倒産、リストラ、環境汚染、食品汚染、放射能汚染、将来の食料不足に対する不安などである。これは、弱肉強食の思想や競争の原理だけでは、人間は幸せになれないことを示している。21世紀は、農業を中心とする第一次産業が大切にされる社会でなければならない。奪い合い競争する社会から、生命系のモラル、倫理観に従った社会へと移行するのである。

<幹事> 高橋 公(日本労働組合総連合会 社会政策局長)

 20世紀は「豊かさ」を絶対の価値に、そのことが追求された世紀であった。しかし、その結果、戦争が行われ、環境破壊がかってないほど進んだ世紀でもあった。
  21世紀は食料とエネルギーが課題の世紀。地球・自然との共生を前提に、資源循環型社会を構築し、持続可能な発展を成し遂げ、この地球を次世代に残すことが出きる世紀にしたい。また、社会運動としての「100万人の故郷回帰・循環運動」を成功させ、地域活性化とあらたな価値観のもとに、農・林・漁業、働く者が誇りと自信の持てる世紀を実現したい。

<幹事> 太田 敏夫 (フォーラム平和・人権・環境 副代表)

 「欲望と破壊の世紀」といわれた20世紀が終わり、新しい時代に人々はどういう生への営みを続けるのだろう。大量生産・消費型経済活動の愚かさに気づき、資源循環型社会の形成が言われて久しいが、常に「成長」を義務づけられる現代文明に浸かった私たちの行動様式を変えるのは、途方もなく困難を伴う。21世紀の命題である「成長」と「環境」との調和には、「農林水産業」のもつ生活活動を含む諸資源を、社会活動にどう有効・適切に作用させるかが土台になるべきで、いよいよ新世紀を「農林業の再生・復権」の時代としなければ、と思う。

<幹事> 堀井 修 (自治体“農”ネットワーク 代表)

 メダカもトンボも価値がある 田いぼはお米だけを生産する場ではありません。米だけが現在お金になるだけなのです。
  しかし、21世紀には、田んぼに住むメダカやトンボ、ホタルそして、田んぼから吹いてくる夏の涼しい風にも価値を認めて、直接補償の対象とするべきです。
  なぜなら、私たち人間も生物だからです。その人間が、自分達の生存のために他の生き物を全滅させてよいわけがありません。  農業はより豊かな自然を可能にする営みです。農業に新しい価値を見出そう。

<幹事> 成相 静雄 (現代農政研究会 理事)

 新しい世紀を迎えたものの、20世紀末までに未解決の課題が余りに多く、難解であり過ぎたため不安が大きく残っている。しかし、そのような情況にあっても逞しく行き抜かねばならない。そのためには新しい生活方式を自らの力でつくり出すことである。その材料は「食」と「環境」であり、これの接点をなす「農」の三大要素を巧みに組み立てながら「共生、循環、持続」を基本に据え、地域のもつ資源を再発見し、これを活用した独創的な魅力ある「地域生活圏づくり」に汗を流すならば前途は開けていくと思う。

<幹事> 田中 榮 (全国農業会議所 事務局長)

 21世紀を迎え、私たち日本人にとって、最も大切なことは、足元をしっかりと見つめた意識改革ではないかと思う。
  私たちは20世紀、近代工業技術のお陰で、当たり前のように、生活の利便を高めて来た。しかし同時に、環境問題を始め深刻な事態をも惹起してきた。
  高度な文明を発達させた人類は、かけがえの無い存在ではあるが、所詮、地球上の自然生物の一種に過ぎない。この意識を持って、ものを見、考え、行動すること、そしてこうした仲間を増やし、ともに社会の軌道修正に貢献して行きたい。

<幹事> 飯塚 昌男 (全国森林組合連合会 代表理事会長)

 21世紀を迎えるに当たり、林業関係者の立場から、一言申し上げます。  圧倒的な輸入材に席巻され、国産材の自給率が20%を割り込む外材主導のもと、国産材需要の減退、木材価格の極端な下落等により林業を巡る状況は極めて厳しく、私ども関係者は未曾有の苦境に陥っております。
  しかしながら、木材生産、国土保全、水源かん養等に加え、近年、全地球的規模で関心の高い地球温暖化防止、生物多様性の保全等、森林の有する多様な機能への期待がとみに強まっているだけに、来るべき新世紀においては、国民的期待に応え得る森林整備の推進と、山村地域の活性化を目指し、農林漁業団体の皆様と連携を図りながら、諸課題の解決に向け、一層取り組みを強めて参る所存です。

<幹事> 生明 登 (全国漁業協同組合連合会 常務理事)

 20世紀末、わが国漁業は韓国・中国との新漁業協定の発効により、わが国における200海里内の水産資源を維持・管理する体制が確立されました。
  21世紀を迎え、今春には「水産基本法」も制定される予定です。  将来の食料不足が懸念される中、輸入水産物の増大や魚価安等によって漁業は活力を失いつつあります。
  水産基本法は、漁業を食料産業として明確に位置づけ、水産資源や海洋環境を貴重な財産として守り育てていくために必要な法律です。
  皆様も21世紀の漁業・漁村についてご一緒に考えていきましょう。

<幹事> 古野 雅美 (農政ジャーナリストの会 会員)

 国産の「食材」と「木材」を使う運動を展開しよう。
 食料自給率40%、木材自給率20%はどう考えても異常である。それも、米の減反が水田面積の四割に達し、国土の七割を占める森林で木材資源がどんどん成熟しているのにである。要は、日本国民が値段の安さに目がくらみ、身土不二の心を失い、森の恵みや木のぬくもりを忘れてしまったからだ。このままでは亡国への道になる。WTO交渉がどう進展するかにかかわらず、21世紀の日本では、食材と木材は国産を使おう。木材は住宅などだけでなくバイオマスエネルギーにも使おう。その国民的大運動を展開しよう。

<幹事> 山田 俊男(全国農業協同組合中央会 専務理事)

 20世紀のわが国の農業は、第二次世界大戦後に実現した農地改革が骨格となっている。それが敗戦後の食料不足を解消し農村の安定を実現したが、一方で、アジアモンスーン地帯に特有な小規模土地集約型水田稲作農業を固定化させてしまった。我々農協も、これが成立の基盤である。
  そして今、担い手が育っていない問題も、農地が荒廃している問題も、無秩序に転用が進んでいる問題も、根元はここにある。
  21世紀は、このことを克服できるのか、できないのか。新しい理念に裏打ちされた、農地の私的所有・社会的利用を実現し、わが国農業を再生したい。

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