平成17年5月18日

 

第55回学習会議事録

 

1.日時:5月17日(火)14:00〜16:20

2.場所:JAビル8F全中大会議室

3.テーマ:WTO農業交渉の現状・課題とJAグループの考え方

報告1 WTO農業交渉の現状と課題

報告2 WTO農業交渉についてのJAグループの考え方

4.講師: 

報告1 農林水産省 大臣官房 国際部 国際経済課 榎本 雅仁氏

報告2 JA全中 農政部 WTO・FTA対策室 一箭 拓朗氏

5.講義資料:

 報告1 WTO農業交渉の現状と課題

 報告2 WTO農業交渉のモダリティ確立に向けた課題

     「多様な農業の共存」めざすWTOを!

     貿易農業政策に関する「協力のためのアジア農業者グループ」共同宣言

     世界の多様な農業の共存を求めるG10農業者代表者の共同宣言

6.概要:

(1)農水省より、報告1の資料により約40分間の説明があった。主な説明内容は次の通り

 1.交渉の流れは、7月にモダリティたたき台第1次案、12月の香港閣僚会議でモダリティの合意、最終合意は2006年内と想定している

 2.枠組み合意内容の、市場アクセスは高い関税ほど大幅な引き下げ、重要品目は別扱いで品目数は今後の交渉事項。上限関税の設定は今後の検証事項。

 3.国内支持の緑の政策、黄の政策についての合意内容

 4.輸出補助金は期日を設けて撤廃する。輸出信用、輸出国家貿易などの輸出補助金的な部分は同様の扱い

 5.輸出禁止、輸出制限の規律についての各国、グループの主張

 6.交渉参加国の主要グループの内容、構成国等の説明

7.従価税換算の算定方式、具体的な価格設定方法は5月の非公式閣僚会合で合意された

(2)JA全中より、報告2の資料により30分間の説明があった。主な説明内容は次の通り

 1.JAグループの今後の運動や取り組みは、7月のモダリティたたき台の内容にもとづき、具体的に対応することになるので、たたき台として出される数字や対象品目がどこまで入ってくるのか大きな関心がある

 2.ラミー氏のWTO事務局長就任は、交渉が加速化するひとつの要因

3.JAグループの重点課題は、ア.多様な農業共存をはかる貿易ルールの確立。イ.将来にわたって不安のない国境措置の確保。ウ.新たな基本計画の具体化へ支障のない国内支持ルール確保。エ.厳格な輸出規制の確立と円滑な食料援助の確保の4点である

 4.パリでのG10農業者代表者の共同宣言(5月)の報告

 5.ソウルでの協力のためのアジア農業者グループ共同宣言(5月)の説明

 

(3)主な質疑

 1.Q:センシティブ品目の交渉はどのような状況か

  A:いくつにするか数の問題等、関心は非常に高いが現在は白紙の状況

 2.Q:アメリカはどのような国内支持を行っているのか、また、これに対して各国はどのように考えているのか

  A:現在、価格変動対応払い、直接支払い、マーケットローンの3段重ねを実施しているが、うち価格変動対応払いは実質不足払いの再現であり、各国からは問題があると指摘されている。交渉での議論はこれからである  

 3.Q:7月に向けて、これまでのようなアメリカ、EC主導型で交渉が進められる心配をしているがどうか

  A:過去にはあったが、カンクンの閣僚会議がうまくいかなかったことや、各国のグループ化による主張内容や複雑な諸問題、途上国への配慮なしに合意できない状況等勘案すれば、今回は十分な話し合いが必要であり強引なやり方は出来ないし、認められないだろう

 4.Q:新たな基本計画の具体化に向けて、国内農政が品目別対策から緑の政策に変えるようにしているが、黄色の政策になる心配はないのか

  A:具体的にどう仕組むかによるが、いくつか心配な可能性もある。貿易歪曲性の面から、今後の議論で検証・明確化されていくので、その内容を見守りたい

 5.Q:このままでは前回よりもっとひどい内容・結果になるのではないのか

  A:従来のわが国の主張を反映できるように、今後も取り進めていく 

 6.Q:インドは食糧の安全保障に対してわが国と共通点があると思うが、もっと仲間として引き込んだらどうか

  A:大事で大切な国として理解している。輸入国であり、日本に近い立場であると認識し、必要に応じて情報交換を実施している。しかし、上限関税など違った主張の面もあることも、認識して活動すべきと考える

 7.Q:昔は、EUとは連携などの話があったが今はどのような関係なのか

  A:インドより近い関係にあると理解している。協力できるところは協力していきたい。全中は4月中旬にCOPAの新会長と面会し今後の連携を確認した

 8.Q:7月のたたき台は誰が作るのか

  A:交渉グループの議論をたたき台に、農業分野についてはグローサー議長を中心に作成すると想定される

 9.QG10の共同宣言というが、5カ国の署名だが残りの国はどうしたのか

  A:台湾は声をかけたが欠席。残るブルガリア、イスラエル、リヒテンシュタイン、モーリシャスの4カ国は相手となりうる農業団体が存在しておらず、今後政府の協力も得ながら連携を追及したい

 

 

以  上