平成17年6月22日

 

第57回学習会議事録

 

1.日時:6月21日(火)14:00〜16:30

2.場所:JAビル8F全中大会議室

3.テーマ:BSE問題とリスクコミュニケーション

4.講師: 

内閣府食品安全委員会 リスクコミュニケーション官 西郷 正道氏

5.概要:

(1)西郷氏より1時間10分程度、別紙資料に基づきBSEの発生状況、食品安全委員会でのBSE審議の経緯や議論の取りまとめ、米国、カナダ産の輸入再開のリスク評価等について報告があった

(2)会場参加者からは、アメリカ産の月齢確認方法への不安、リスクコミュニケーションにおける消費者意見の反映、感染と発症の違い、アメリカ産の交差汚染の可能性に対する不安、BSE発生の原因追求取り組み状況等についての質問や意見要望があった

6.講義概要:

(1)BSE達成までの行政対応については、危機意識の欠如、体制の欠落、消費者保護軽視、農水・厚労の連携不足、情報公開の不足と消費者の理解不足があった

(2)新たな食品安全行政のために、食品安全委員会、農水省、厚労省等関係者の役割を明確にした

(3)食品安全委員会の役割や活動内容の報告

(4)BSE病の説明と検査診断法、ウシからヒトへの感染原因等についての説明と治療開発状況報告

(5)BSE病発生経緯や、発生頭数や変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生状況報告

(6)国内のBSE感染牛の確認日、種類、出生日、月齢等の発生状況報告

(7)日本と各国のBSE検査体制、SRMの範囲等違いの説明

(8)食品安全委員会でのBSE関係審議状況や中間取りまとめ、結論の報告 

(9)米国、カナダ産牛肉等の輸入再開のリスク評価諮問とプリオン委員会での検討状況

7.主な質疑

 1.Q:アメリカの30ヶ月以上の月齢判断はどのようにしているのか

  A:これまでは牛の月齢判断をしていなかった。検査官が目視で歯の生え方を見て判断している。日本の場合は、23年前からトレーサビリティに取り組んでおりきちんと確認できる

 2.Q:アメリカ産はいずれ輸入することになると思うが、牛肉の消費は落ちている。消費者は何が安心で、何が安全かと不安を持っており、業界では苦慮しており国産と比較するなどの具体的な説明を消費者にすべきである。

   この役割は業界ではなく、国がするべきである 

  A:アメリカ産については現在審議中である。消費者の意見もいろいろあるが、意見等に対しきちんとした対応をするように日頃から取り組んでいる。アメリカからの圧力を心配し、食品安全委員会に対する不安があるようだが、データによる科学的評価に取り組んでいる。

    消費者とは、今まで以上にリスクコミュニケーションが必要と考える。少なくとも、何も聞いていない、知らないところでいろんなことが決定していくということがないようにしていきたい

 3.Q:感染と発症の違いがあると思う。BSE発症牛の数は、現実にはもっとあると思うがどうか

  A:正式名称は、検査陽性牛である。発生牛の出生時期(1995年頃)から現在まで、すべての牛の検査ができてきたわけではないから、過去にもっとあったのではという可能性は否定しないが、01年10月の飼料給与禁止、BSE検査開始以降については、まずもれはないと考えている。

   なお、日本の8例目の23ヶ月、9例目の21ヶ月はウエスタンブロット法で見つかった

 4.Q:アメリカ産の輸入問題で、業界の有益性について、消費者の理解が得られるのか心配する。全頭検査が万全ではないこと、SRMの徹底的な除去が必要などを国から伝えることも必要と考える

   アメリカの交差汚染の情報をもっと提供すべきである

  ASRMの除去を実施することは、効果があると考えるが今の手法で100%の保証になることではないことも理解すべきである。

   交差汚染については、アメリカからの情報が徐々に集まってきている状況であり、公表できる段階まではいかない。アメリカ大使館のホームページに掲載されているので活用願いたい

 5.Q528日のOIEの決議への対応はどうするのか

  ABSE問題と関係なく、骨なし牛を無条件取り扱いの対象にする提案であるが、今までOIEの決定により、国際条約が進められた例はないので過敏に反応することはないのではないか 

 6.Q:定量的評価が不十分のまま決定し、だまされたような気がする。全国から消費者等から1500の意見をもらったのに、短い検討期間で答申がおこなわれた。十分な議論がされたのか不安である。また、リスク評価機関と管理機関のコミュニケーションが不十分なのではないのか

  A:定量的データが十分でない状況下、定性、定量の両方を使用した。

   消費者等の意見については、都度事務局が確認整理し、関係者に送付し対策を検討している。ただリスク評価であり、意見量の多数決で決定するものではないことは理解願いたい

   関係両省との意見交換に今後も取り組んでいきたい

 7.Q:安全性について改めて疑問を感じた。一定の前提条件があって議論が進んでいるように感じた。また、20ヵ月と21ヶ月問題も同様に思えたがどうなのか

  A:リスク管理機関が評価依頼するようになっている。安全性を20ヵ月、21ヶ月で区分しているわけではない

 8.Q:一般国民は、20ヵ月以下の牛は安全であると認識していると思う。きちんとBSE感染の実態を伝えるべきである

  A0110月から飼料規制に取り組んでおり、20ヵ月以下の牛についてはおおむね問題ないと考えている

 9.Q:国内で確認されたBSE牛が1995年〜1996年に13頭と集中しているが、この原因をどう評価しているのか

  A:現在の発生頭数が国内で20頭と少ないこと、またこの中に肉骨粉を与えていない牛の発生があること、客観的なデータが少ないこともあり原因追求が難しくまだ実施できていない。

   厚労省が早期に評価できるように努力している最中である

   世界各地の研究者からは、わが国の8例目、9例目の事例をどのように理解すればよいのか等の質問や疑問がきている

 10.Q:食品安全委員会はアメリカ牛の輸入をしようと考えているのか

  A:農水省、厚労省の諮問に対し検討している所である

 

以  上