平成17年10月25日

 

第62回学習会議事録

 

1.日時:10月25日(火)14:00〜16:00

2.場所:JAビル8F全中大会議室

3.テーマ:「WTO農業交渉をめぐる情勢と課題について」

4.講師:農林水産省 大臣官房 国際部 国際経済課

課長   榎本 雅仁 氏

5.参加者:65名

     フォーラム会員、地方フォーラム会員、一般参加者

6.概要:

(1)榎本氏より1時間30分程度、別紙資料「WTO農業交渉をめぐる情勢」にもとづき、WTO交渉の流れ、9月の交渉再開以降の状況、今後のスケジュール、G10他各グループの構図、主要国・グループの市場アクセス、国内支持、輸出競争等についての交渉状況や各国の具体的主張についての報告があった

(2)会場参加者からは、アメリカ提案の評価、上限関税の取り扱いについての日本の考え、途上国との連携状況、事務局長交代の影響、EUの最近のスタンスの状況等についての質問や意見があった

 

7.講義概要:

[交渉について]

・文書案の提示は11月中旬頃。12月の香港閣僚会議でモダリティ合意をめざしている

[交渉状況]

9月から交渉再開された。10月は閣僚会議を3回開催した

12月の香港閣僚会議の目的は、ドーハーラウンドの3分の2の作業を整えること

[主要国・グループの主張]

・階層別は各グループとも4種類、しかし階層の境界についての考えはそれぞれ違う

・重要品目の取り扱いについては、品目数の取り扱い、品目数確保の関する代償支払いが課題

・デミニミスの削減比率は各国の意見に差がある

・輸出補助金の撤廃期限の時期や方法について、アメリカ、EU、G20の主張には大きな差がある

8.主な質疑

1.Q:アメリカの国内支持60%の提案についての評価はどうか

A:ジュネーブでは、アメリカが具体的数値を出したことに対し概ね好評である

2.Q:アメリカの市場アクセス提案は厳しいものがあるが、日本のスタンスや心構えはどうか

A:上限関税については強く反対している。結果はわからないが香港閣僚会議までもって行くことになるだろう。農業以外を含めての一括判断する時期が来る可能性もある

3.Q:ACPとの連携の考えはどうか

A:ACP提案は輸入に関する関心が強い。上限には反対している。現在55カ国が参加し、モーリシャス、ケニアがリーダーである

4.Q:米の上限関税を490%から100%に減少するといわれているがどうか

A:重要品目については、アメリカ、EU、G20がそれぞれ主張している。G10はまだ意見を出していない。有利な条件を獲得できるよう交渉する

5.Q:アメリカ提案の条件関税75%だと、重要品目の意味があるのか

A:日本の場合は意味がなくなってくる。しかし、EUの場合は中階層的なものには大きな意味がある

6.Q:ラミー氏になって雰囲気は変わったのか

A:前任者のスパテャイに比較すると専門知識もあり、就任3ヶ月でまとめると発言しており、交渉は意欲的に進んでいる

7.Q:EU内部の状況はどうか

A:25カ国あり、加盟国が増えた影響でフランスの影響力が低下している

8.Q:EUが予想より早く軟弱化してきているように感じるがどうか

A:交渉項目によって、EUの対応は違う。市場アクセスにおいては強い主張もある 

9.Q:今回のWTO交渉は、国民の間では盛り上がっていないと思うが、農水の考えはどうか

A:フレームがわかりづらく、交渉ステージに数字が見える時期が遅く、また期間が短い問題があるが、世論を問うことに努めていきたい

10.Q:日本のこれまでの主張の多面的機能、環境、CO2、京都議定書等は取り込んでいるのか

A:上限関税に対する反対は多面的機能である。重要品目交渉は地域の多様な農業を反映するための交渉である

  

以  上